1.臨床研修病院を自由に選択 三重で新制度、来年度から
2.レモンが甘く…味覚狂わす果実の仕組み解明 東大
3.大腸がん、予防に「葉酸」が効果 愛知がんセンター
4.乳がん再発すると 3分の1はタイプが変化
5.慶大、iPS細胞で脊髄損傷治療
6.だまし絵の顔、生後7~8カ月で認識 中大教授ら発見
7.安全な薬を子どもたちに 小児治験ネットが始動 適応外使用解消目指す
8.虐待経験、うつ病を深刻化
9.一家団らんの食事、若者の健康と幸福感を高める
10.高齢出産に上限は必要か?61歳の妊娠で論争、ブラジル
11.血糖値の低下、ダイエットの意志を削ぐ 米研究
12.【厚労省】ガドリニウム造影剤で注意喚起
13.救急受入と「入院制限」という矛盾に直面
14.10の質問、中医協診療側委員の答えは?
15.「受診時定額負担、断固反対」、十四大都市医師会連絡協議会
16.「早大医学部新設」報道に懸念 茨城県の医学部誘致に県医師会が反対表明
17.脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈疾患の管理で最近注目の疾患概念とは?
18.ベネット服用後は散歩が必須?
19.アスピリン以外のNSAIDsの日常的な使用は腎細胞癌リスクを高める
20.重度市中肺炎におけるtifacoginと死亡率
21.大動脈二尖弁患者の大動脈解離発生率は、一般住民に比べて有意に高率
22.米国18歳未満対象の段階的運転免許制度、死亡事故抑制には機能しておらず
23.Adding Novartis's Afinitor to Pfizer Drug Extends Cancer Patients' Lives
24.Asthma tied to poorer diabetes control in kids
25.Childless Men May Face Higher Heart Disease Risk
26.Lots of Coffee Might Lower Depression Risk: Study
27.Could Too Little Vitamin B-12 Shrink the Aging Brain?
28.Cardiac Rehab May Help Heart Patients Live Longer
29.More Frequent Doctor Visits May Benefit Diabetes Patients
30.Certain Antidepressants With Blood Thinners May Pose Risk for Heart Patients
31.Broccoli, Cabbage, Other Veggies May Protect Against Colon Cancer
32.JMM:福島県立医大の放射線医療拠点化構想を問う~事業仕分け人の視点から~
33.iPadアプリに東京女子医大の医師20人が制作協力したスライド一挙500点登場
34.プレスリリース
1) Imaging of traumatic brain injury patients swifter and safer with new technology at NIH
2) NIH-funded study connects gene variant to response to asthma drugs
3) FDAがVerax血小板PGD検査を血小板輸血の「安全対策」として承認
4) ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ(R)」日本において関節リウマチにおける関節の構造的損傷の防止に関する効能・効果を追加申請
5) Avastinとpemetrexedの併用は肺がん患者さんの無増悪生存期間を統計学的に有意に延長する
6) 抗悪性腫瘍剤「アバスチン®」「手術不能又は再発乳癌」に対する効能・効果、用法・用量の追加承認取得
35.Other Topics
1) アマゾン、仙台にコールセンター 1000人雇用で復興支援
2) ダイエットに失敗する人を減らすため 今後、成功に導くソリューションを強化
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1.臨床研修病院を自由に選択 三重で新制度、来年度から
共同通信社2011年9月27日
三重県内42の臨床研修病院や県医師会などでつくるNPO法人「MMC卒後臨床研修センター」(津市)が来年度以降、主に臨床研修の2年目について、研修医が提携関係にある県内18の指定病院から研修先を自由に選べる新たな制度を導入することが27日、分かった。
対象者は来年度に研修が始まる100人程度の見込み。希望する病院での研修を可能にし、医師の県外流出を防ぐのが狙い。厚生労働省によると、県内の大半が県立病院の岩手県で同様の制度が本年度から導入されているが、大学病院や民間病院など運営母体が異なる医療機関同士で提携する試みは全国初という。
2.レモンが甘く…味覚狂わす果実の仕組み解明 東大
日本経済新聞社2011年9月27日
東京大の三坂巧准教授らは、西アフリカ原産の特定の果実を食べると、レモンなどの酸っぱい食べ物を口に入れても甘く感じる仕組みを解明した。果実に含まれるたんぱく質が舌で甘味を感じる受容体にくっついて甘みだけを伝える。酸っぱい食べ物でも甘く感じる人工甘味料が開発でき、生活習慣病の予防につながる。
成果は27日に米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
味覚を狂わせるのは、「ミラクルフルーツ」という果実。果実自体は無味だが、食べた後にレモンなどを食べると非常に甘く感じる。詳しい仕組みは不明だった。
三坂准教授らは、甘味を感じる受容体を実験用の細胞の表面に作り、ミラクルフルーツに含まれるたんぱく質のミラクリンを入れた。ミラクリンが受容体に直接くっつき、酸っぱい酸性の成分が加わると、たんぱく質が活発に働いて甘みだけを感じるようになっていた。
これまでの人工甘味料は、甘味以外を感じる受容体にも作用し、苦みなどを伴うことが多い。ミラクリンの甘味はおいしいとみられ、「ミラクリンをうまく使えば、糖分がなくても甘く感じる材料づくりにつながる」(三坂准教授)という。
3.大腸がん、予防に「葉酸」が効果 愛知がんセンター
朝日新聞社2011年9月27日
酸摂取量と大腸がんリスク
ホウレンソウ、春菊、小松菜、レバーなどに含まれる「葉酸」を多くとって飲酒しない人ほど、大腸がんになりにくい――。そんな調査結果を、愛知県がんセンター研究所の研究チームがまとめた。
葉酸は、緑色野菜や肝臓に含まれるビタミンBの一種。欧米人対象の研究で大腸がん予防効果が知られていた。日本人に同じ効果があるか、同研究所の疫学・予防部が検証した。
がんセンターを受診した4974人に、書き込み式で質問した。内訳は大腸がん患者が829人、がんではない人が4145人だった。ふだんの食事を詳しく尋ね、回答から個人の1日あたり葉酸摂取量を推定。摂取量が少ない人から多い人までをほぼ同じ人数で4グループに分け、各グループのがん患者の割合などを分析した。
この結果、摂取が最も少なかったグループにおける大腸がんのなりやすさ(リスク)を指数で1とした場合、摂取が最も多いグループの大腸がんリスクは0.72になった。
4.乳がん再発すると 3分の1はタイプが変化
朝日新聞社2011年9月27日
乳がん患者の3人に1人は、最初に診断された時と再発後では、がんのタイプが変化していることがわかった。がん組織を調べる検査は通常、診断時にしか行われず、再発後に「効かない」治療を受けている患者が相当数いる可能性が出てきた。同様の変化は、他のがんでも起きる可能性があるという。
スウェーデンのカロリンスカ研究所が26日、欧州集学的がん学会で発表した。
乳がんには、女性ホルモン陽性でホルモン療法が効くタイプと、女性ホルモン陰性で抗がん剤のハーセプチンが効くタイプ、いずれも効かないタイプがある。
5.慶大、iPS細胞で脊髄損傷治療
日本経済新聞社2011年9月27日
慶応大学の岡野栄之教授らはヒトの新型万能細胞(iPS細胞)から作った細胞を、脊髄が損傷したマウスに移植しても、安全性に問題がないことを確認した。移植してから4カ月後でも、がん化などの副作用は見られなかった。成果は27日、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
ヒトの細胞を移植しても免疫反応が起きないようにしたマウスの脊髄損傷部位に、皮膚から作ったiPS細胞を神経幹細胞に育て移植した。約1カ月後には歩くようになり、4カ月後でもがん化などは起きなかった。
マウスを調べたところ、ヒト由来の神経とマウス神経がつながり、脳からの電気刺激が伝わっていた。またヒト由来の細胞は3種類の神経にも育ち、脊髄の正常な働きを促していた。岡野教授は「がん化のリスクの低い安全なiPS細胞を用い、サルなど霊長類での研究を進め、5年後にはヒトで臨床研究を始めたい」としている。
6.だまし絵の顔、生後7~8カ月で認識 中大教授ら発見
日本経済新聞社2011年9月27日
16世紀イタリアの画家・アルチンボルドが描いただまし絵で実験した
中央大学と自然科学研究機構の研究グループは、生後7~8カ月の乳児がだまし絵に描かれた顔を認識することを発見した。顔を認知する脳の機能は、生後7~8カ月間で成熟している可能性を示す成果。オランダの科学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・チャイルド・サイコロジー(電子版)に掲載された。
だまし絵は16世紀のイタリア人画家が描いた絵画で、野菜や果物を組み合わせて人の顔が描いてある。上下を逆さまにすると顔に見えず、ただの野菜や果物の絵に見える。生後7~8カ月の乳児24人に、だまし絵を正しい向きと逆向きに見せたところ、うち21人が正しい向きのだまし絵を長い時間見ていた。
さらに乳児の脳内にある毛細血管のヘモグロビンの量を近赤外線で測ったところ、正しい向きのだまし絵を見ている時間だけ、左脳の側頭部を流れる血中のヘモグロビンの量が増えた。このため、生後7~8カ月の乳児がだまし絵の顔を認識していると分析した。文部科学省の科学研究費補助金の助成を受けた研究成果。
7.安全な薬を子どもたちに 小児治験ネットが始動 適応外使用解消目指す
共同通信社2011年9月27日
子どもの治療に必要な薬なのに、添付文書には子どもに対する用法や用量の記載がない―。国内の小児医療の現場では、こうした薬の「適応外使用」が日常化し、処方薬全体の実に7割程度を占めている。主な原因は、開発段階で行われる臨床試験(治験)の多くが大人だけを対象とし、子どもでの効果や安全性のデータが収集されないまま国の承認を取得していることにある。
こんな現状を打開し、より有効で安全な薬を子どもたちに届けようと、小児医療に携わる27の医療機関が「小児治験ネットワーク 」を設立した。
▽用法示さず
やや古いデータだが、厚生省研究班(当時)が1999年度にまとめた国立大病院など5施設を対象にした実態調査によると、18歳未満の患者に処方した医薬品のうち、添付文書に小児への用法・用量が明示されていた薬はわずか23・4%。残る76・6%は「小児に対する安全性は確立していない」などの断り書きを付けたものや、全く記述のないものだった。
こうした状況は10年以上がたった今も大きく変わっておらず、子どもに関しては未承認状態の薬が数多く使われている。「用法・用量が明らかな薬だけで子どもを治療するのは不可能だ」と小児医療関係者は話す。
だが、適応外使用はさまざまな問題をはらむ。第一に安全性や有効性は必ずしも十分に評価されていない。また、原則としては医療保険が適用されず、患者の全額負担もありうる。万が一、副作用で健康被害が生じた場合、国の救済制度の対象外になる可能性もある。
▽錠剤を粉砕
さらに「剤形変更」も問題だ。もとは大人用に開発された薬。錠剤やカプセル剤など、小さな子どもがうまく飲めないタイプのものが多い。すると何が行われるか。
「やむを得ず、錠剤を割ったり、乳鉢と乳棒を使ってつぶしたり、カプセル剤の中身を取り出したりする。ミキサーで粉砕して大量に作り置きすることもある」と小児専門病院の薬剤師は話す。
しかし、剤形を変えると有効成分の均一性や安定性、効果が損なわれる恐れがある。また、投与量などは医師の経験頼みで、施設によってばらつきが生じることも。医療現場は子どもに合った剤形の開発と、用法・用量の明示を切望している。
製薬企業が子どもを対象にした治験に消極的なのは、患者数が少なく被験者を集めにくいこと、用量も少なく開発コストに見合った利益が得にくいことなど、採算性の問題が大きいとみられる。
▽窓口一元化
小児治験の受け皿となるべく、昨年、小児専門病院で組織する日本小児総合医療施設協議会 を母体として小児治験ネットワークが発足した。
事務局が置かれた国立成育医療研究センター によると、最大の特徴は加盟27施設が一体となって製薬企業からの治験の依頼を受託する点だ。
窓口の一元化と施設間の情報共有により、治験の質やスピードをアップするとともに、施設調査や治験の進捗管理といった企業側の負担軽減を図り、開発コストの削減につなげる。企業が小児の治験に踏み出しやすい環境をつくる。
事務局は現在、治験実施に必要な手順書や各種手続きの統一化などを急いでおり、年内には一定の体制を整えたい考え。
NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」の小林信秋専務理事は「子どもの病気は希少疾患も多く、薬の開発や認可が遅れている。治験を活性化する動きは大歓迎だ」と期待を寄せている。
8.虐待経験、うつ病を深刻化
共同通信社2011年9月27日
幼児期に虐待された経験を持つうつ病患者は、症状が長期化したり、複雑化したりする傾向が2倍に増えるとの研究結果を、英ロンドン大キングスカレッジ精神医学研究所が発表した。
約2万3千人の疫学調査と約3千人を対象にした臨床試験で、児童虐待を受けた患者の治療結果などを分析。その結果、虐待経験がある患者は、そうでない患者に比べて治療への反応が鈍く、うつ病の再発や長期化につながる高いリスクがあることが分かったという。
虐待を受けた子どもの10人に1人がうつ病とされ、同研究所のアンドレア医師は「重いうつ病による健康悪化を防ぐためにも、児童虐待の早期予防や介入がとても大切だ」と話している。
9.一家団らんの食事、若者の健康と幸福感を高める
AFPBB News2011年9月27日
米コロンビア大学(Columbia University)全米薬物常習乱用センター(National Center on Addiction and Substance Abuse)は前週、家族で一緒に食事をとる習慣が十代の若者の健康に及ぼす影響について報告書を発表した。
研究はティーンエイジ(13~19歳)の約1000人を対象に実施。58%が週5回以上、家族と食事をとっていた。専門家によるとこの数字は、長年横ばいだという。
報告書によると、家族と週5~7回食事をとる若者は、アルコールやたばこ、マリフアナを使用する可能性が、家族と週3回未満しかとらない若者に比べて約4分の1だった。
また、英国で最近行われた広範な調査では、家族で食事をとることが子どもの幸福感にとって重要な要素であることが明らかになった。研究によると、週3回以上家族と食事をとった子どもは、幸福度が高かったという。
ほかにも子ども時代の幸福感を高める方法はある。子どもと一緒に過ごすことだ。「子どもたちはビデオゲームやテレビを見て時間を過ごしたがっているという通念に反して、親やきょうだいと接しているときに最も幸せを感じていることがわかった」と、英エセックス大学(University of Essex)のマリス・ヤコブ(Maris Iacovou)氏は語る。
米医師向け情報サイト「WebMD」は、友人よりも家族を優先し、子どもの課外活動を制限して家で一緒に過ごす時間を増やし、家族で一緒に活動することを推奨している。また、家では子どもの前で口論しないようにして、穏やかな環境をつくることが大事だと専門家は話している。
10.高齢出産に上限は必要か?61歳の妊娠で論争、ブラジル
AFPBB News2011年9月26日
ブラジルで、61歳の女性の妊娠を機に、高齢出産の上限年齢をめぐる論争が広がっている。
日刊紙オ・グロボ(O Globo)によると、既に閉経を迎えていたこの女性は、38歳の男性と結婚。夫婦ともに子どもを望んだことから、卵子提供を受けて初めての子を妊娠し、11月に出産予定だという。妊娠前の健康診断の結果は非常に良好だったという。生まれてくる娘には、卵子提供による出産だったことは明かさないつもりだそうだ。
ブラジルにおける高齢女性の出産は、これが初めてではない。最近では9月9日に、夫が88歳という52歳の女性が、初産で双子を出産している。
だが、ブラジルの医療関係者らは、昨今の高齢出産ブームに懸念を示す。高齢での妊娠・出産は、母体への負担が大きく悪影響を及ぼす恐れがあるからだ。
現在のところ、人工授精に年齢制限はないが、母親もしくは胎児に深刻なリスクが懸念される場合には、医師は人工授精を行わないことが暗黙の了解となっている。
11.血糖値の低下、ダイエットの意志を削ぐ 米研究
AFPBB News2011年9月26日
血糖値がわずかに下がっただけで、高脂肪、高カロリーのおやつが食べたくなるだけでなく、それらを食べるのを我慢するための自制心も弱まるとの研究が、米医学誌「Journal of Clinical Investigation」に発表された。
研究を発表したのは米・南カリフォルニア大(University of South California)の研究者。研究では、血糖値が下がったときに、特に肥満の人が欲望を抑制するのが困難になることが分かった。
「肥満の人は、特に血糖値が通常値以下になったときに、食欲を抑える能力が低いのかもしれない」と、研究者のキャスリーン・ページ(Kathleen Page)氏は声明で述べた。
研究チームは、アイスクリームやハンバーガーなどの高カロリー食品や、サラダといった低カロリー食品、それに椅子や照明器具など食品以外の物のそれぞれの画像を眺めたときの脳の状態をスキャンした。また、被験者の血糖値を点滴で操作した。研究には、肥満の人5人、通常の体重の人9人の計14人が参加した。
血糖値が低下すると行動を促す脳の領域が活性化した一方で、強い欲求を抑制する領域の活動は抑制された。
興味深いことに、平均体重の被験者では、血糖値が戻るとすぐに脳の活動は通常に戻った。だが、肥満の被験者ではそうならず、低血糖時だけでなく通常血糖のときも、強い欲求の制御をつかさどる「前頭前皮質」の活動が抑制された。
これまでの研究で、ジャンクフードはドーパミン受容体に信号を送り、ジャンクフードを食べることが最優先になるように行動を変えるという、中毒性の高い薬物と似た作用を脳に及ぼす可能性があることがわかっている。
専門家らによると、ジャンクフードを食べたいという欲望を抑えるための1つの方策は、長時間食事をとらない状態を避け、ジャンクフードを食べるときには一食当たりの量に注意することだという。
12.【厚労省】ガドリニウム造影剤で注意喚起
薬事日報社2011年9月27日
厚生労働省は、ガドリニウムを含有するMRI用造影剤全般の使用上の注意について、警告欄に「腎性全身性線維症」を加えると共に、重要な基本的注意で「遅発性のショック、アナフィラキシー様症状」の副作用リスクを喚起する改訂を、メーカーに指示した。
ガドジアミド水和物(製品:第一三共のオムニスキャン)、ガドペンテト酸ジメグルミン(バイエル薬品のマグネビスト)の直近3年間の副作用報告で、腎性全身性線維症が各7例、遅発性のショック・アナフィラキシー様症状がオムニスキャンで1例、マグネビストで2例集積され、因果関係が否定できない症例も含まれていたため、注意喚起を決めた。腎性全身性線維症は、欧米の対応状況も踏まえて判断した。
両剤については、原則禁忌としていた「重篤な腎障害のある患者」を禁忌に移し、慎重投与に「腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者」を加えるなどの改訂も行う。
類薬の▽ガドキセト酸ナトリウム(バイエル薬品のEOB・プリモビスト)▽ガドテリドール(ブラッコ・エーザイのプロハンス)▽ガドテル酸メグルミン(ゲルベ・ジャパンのマグネスコープ)――は、慎重投与を「重篤な腎障害のある患者」から、「腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者」に広げる。プロハンスでは、因果関係が否定できない副作用症例はないものの、腎性全身性線維症、遅発性のショック・アナフィラキシー様症状がそれぞれ1例報告されている。
このほか厚労省は、抗てんかん薬のカルバマゼピン(ノバルティスファーマのテグレトール)について、文献報告を踏まえ、日本人の遺伝子多型のうち、HLA―A3101保有と重症薬疹発症との関連性が示唆されることを、添付文書に記載することなどもメーカーに指示した。
13.救急受入と「入院制限」という矛盾に直面
南相馬市立総合病院院長・金澤幸夫氏に聞く◆Vol.3
医師確保と地域医療の再構築が課題
日経メディカル2011年9月27日